――その1―― さて、二十五年ほど前のことである。 大学時代の友人の結婚式が八月早々に札幌で行われ、私は招待されて、生まれて初めて北海道に渡った。 当時、私は既に結婚していて、某製造会社に勤務していた。 会社の仕事は忙しかったが、有給休暇もろくに取ったことがなかったので、思い切って三日間ほど休暇を取り、初めての北海道を訪れた。 さて……当日、結婚式と披露宴は、市内のシティホテル(忘れた)で行われた。(私もそのホテルに泊まった) 結婚する友人は、大学卒業後すぐに札幌に戻り、父の後を継ぐべく、レストラン経営の会社に勤務していた。そんな関係で、出席者はほとんど地元の人ばかりであった。 披露宴で、私の席はなぜか新婦側に回されていて、女性ばかりであった。 そんな中で、偶然隣り合わせて坐っていた女性――美人ではないが、ちょっと男の心を惹くような大きな目と、口元の可愛い色白の女性だった――と話しをすると、彼女は京都から来たとのこと。 新婦が一時京都に住んでいたからとのことだった。 私は、東京から来た新郎の大学時代の同級生で、山田伸一です、と挨拶すると、彼女は、新婦が京都在住の時の友達で、石川佳織と申します、と自己紹介した。 お互いに、知っている人は誰も居ないので、披露宴中はほとんど彼女と会話を交わした。 さて……披露宴も終わり、新郎新婦は新婚旅行にすぐ出発していったので、私は一人きりになってしまった。 隣席の彼女を誘いたいと思ったが、迷っている内に彼女の姿は消えてしまった。 私は自室に戻り、休憩した後、小腹が空いたのでラーメンでも食べに行こうと部屋を出た。 廊下に出て、エレベーターに向かって歩き始めたところ、三部屋ほど過ぎたところのドアが突然開いて、一人の女性が姿を現したのである。 お互いに顔が合った瞬間、思わず、「あらっ、先ほどの……」と声が出た。 私が、ラーメンでも食べに行こうかと思ってと言うと、彼女は目を輝かせて、「あらっ、私も」と言ったのである。 結局、彼女と一緒に、ホテルのフロントで教えてもらった店で仲良くラーメンを食べ、それから魚料理を食べさせる居酒屋で一緒に飲んだ。 ホテルに帰って、お互いにまだ物足りないという感じであったので、一旦自室にそれぞれ戻り、着替えをしてからホテルの最上階のバーで飲むことにした。 時間が来て、私はラフな格好で彼女の部屋のドアをノックした。 すると佳織は、白いキャミソールに臙脂色のミニスカート姿で、とても人妻とは思えない若々しい格好だった。 札幌の夜景が一望にできるバーで飲み始めると、佳織は旅先の開放感からか、人妻であることを忘れてしまったような言動を見せ、時々、華奢な色白の手をさりげなく私の手に触れてきたり、しなだれかかってきたりするのだった。 私は、当然、これはひょっとすると今夜は楽しい夜になるかも……と、期待感を持った。 自分はあまり酒は飲めないので一つのカクテルを少しずつ飲み、彼女には、どうせ、あとは部屋に戻るだけですから、と言って次々にカクテルを勧めた。 佳織があまり酔いすぎても困るので、私は頃はよしと言うときに、「じゃあ、そろそろ引き上げましょう」と言ってチェックを済ませ、彼女をエスコートして自分たちのフロアに戻った。 佳織は、私が支えていないと、まともに歩けないほどだったので、私は彼女の身体に手を回し、抱きかかえながら部屋に向かった。 私の手は自然に、佳織の思いのほかに豊かな乳房に触れていて、よろめいたりするときには特に、乳房を押さえ込むようになったりしたが、彼女は気が付かないようだった。 佳織の部屋の前にやってきて、「さあ、鍵を出して。私が開けてあげますから」と言うと、バッグから取り出し私に渡した。 私がドアを開け、佳織を部屋に入れようとすると、突然大きくよろめいたので、私はチャンスとばかりに自分も彼女を抱えながら入り込んでしまった。 その時、佳織がなにか言うかと思ったが、咎め立てるようなことはなにも言わず、「ごめんなさい、ご迷惑かけて」と言って、さらに「お水が飲みたいわ」と言ったので、私は冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲ませた。 彼女は白い形の良い喉を見せながら、美味しそうに飲んだのである。 その後、佳織は、ソファ坐り込んでいる私に、「今日はありがとうございました。ご迷惑かけてしまって……」と言い、それは暗に私にもういいから、部屋を出てくださいと言っているようだった。 ――その2―― 私は、そこで部屋を出てしまったらチャンスも消えると思い、そうかと言って急に襲いかかるわけにもいかないので、とっさに、「すみません。急に酔いが回ってきたのか、私も目眩がして……。ちょっとの間休ませてくれますか?」と言って、よろめいてみせたのである。 すると彼女は急に甲斐甲斐しく、私に水を持ってきてくれたり、「こちらのベッドでしばらくお休みになりますか」とか言って、世話をしてくれるのだった。 私は彼女の言葉に甘えて、ツインのベッドの余っている方に横になった。 すると、彼女は自分も私の横に腰を下ろし、私の額に手をやったり、手を握ってみたりしながら、大丈夫かしら、などと言うのだ。 私は、彼女が私の顔を覗き込むようにして、「ご気分は?」と言ったときに、咄嗟に彼女の手を取り、自分の方に強く引っ張り込んだ。 「あらっ、駄目よ。私そんなつもりでは」と言いながら逆らったが、私は彼女をベッドに引き摺り込み、押し倒した。 抑え込んだまま、キスを求めると、「駄目、駄目よ」と言いながら、顔を左右に振り、脚をばたつかせて抵抗したが、私は彼女が最後まで抵抗はしないだろうと確信していた。 抵抗も気にせず、私が全身で抑え込んだまま、さらにくちづけを求めると、「いやっ、やめて……」と言ったが、その声は弱々しかった。 私は、より強く手と脚で抑え込み、「もう、絶対に逃しませんよ」と宣言するように言った。 すると、ついに顔を横に向け、目を瞑って抗いをやめたのだ。 それでも最初は、しっかりと唇を閉じて、私の舌の侵入を防いでいたが、おとがいに手を掛け、さらに強く侵入を試みると、ついにローズピンクに塗った唇を開け、私の舌を迎え入れたのである。 長いくちづけだった……。 途中で彼女が外そうとしたが私は許さず、舌をからめ、さらに吸い続けた。 すると、いつのまにか彼女の身体が柔らかくなった感触がして、私を遮るような手つきだったのが、抱き寄せるような手つきに変わった。そして、彼女は自分の方から、舌をからめ吸ってきたのである。 そうなるとお互いにもう夢中……。 私は、自分の身体を上下に揺するように動かして、彼女の乳房や下半身に刺激を与え始めた。さらに上体は被せたまま、下半身は横にずらして私の手は彼女のミニスカートの中に侵入した。 彼女は慌ててくちづけを外し、自分の手で私の手を払いのけようと身悶えたが、私は彼女の華奢な手を押さえ込んで抵抗を封じ、下着の上から、しつこく愛撫を繰り返した。 その後も、彼女は一つの段階を進むたびに、「あーん、ねっ、やめて! やっぱり駄目よ!」と言って抵抗を繰り返し、そして、私がそれを打ち破るということを繰り返した。けれども、男が既に陥落し掛けている相手を逃すはずはない。 佳織は、おそらくこうした展開を心のどこかで期待していた筈だ、と私は確信していた。 そうでなければ、外からホテルに戻った時、あるいはホテルのバーから部屋に戻ったときに、毅然として私を避けた筈である。 私はその確信を持って、佳織を攻め続け、とうとう下着も全部脱がせ、ブラジャーを取り去って乳房を揉み、乳首を口に含んで愛撫をした。 すると彼女は背を反らし、思いがけないほどの激しい反応をしめした。 さらに次のプロセスに進むと、また激しく抵抗を示すのだった。 この期に及んでも彼女の中ではまだ、見知らぬ男に抱かれることへの葛藤が渦巻いていたようだ。 けれども私の執拗な愛撫に、心とは裏腹に快楽の波におそわれ負けてしまったのだろう。男にとっては、女のそうした変化、プロセスは、雄としての本能を充たすのである。 私たちは汗みどろになり、お互いに全裸になってしまった頃には、二人とも汗が滴り、彼女の髪の毛は乱れて、顔に貼りついたりしていたのである。 私が彼女を組み敷き、下半身を押し広げて、両下肢の間に自分の身体を入れこんで、ついに、繋ぎ入れようとすると、彼女は最後の抗いを見せ、「あーん、駄目よおー」と言い、身体を振って逃げようとした。 けれども私は容赦せず、それまでにクンニで充分に濡れそぼっている彼女のカントを一気に貫いたのである。 「あーっ、あーん、あぅーっ」と、彼女は私が突くたびに、今までの抵抗は忘れたかのように、両手を私の身体に回して、激しく大きな喜悦の声を挙げて、歓び続けた。 ――その3―― しばらくして、佳織は私に背を向けたまま、「こんなこと初めてよ」と、小さく呟いた。 「えっ、なにが初めてだって?」と、私が彼女の身体を抱き寄せ、手で肩を撫でながら言うと、「だって、旅先で初めて逢った男性とこんなになったりして……。恥ずかしいわ」 「ああ、そういう意味かい。それを恥じているわけ?」 「だって、こういうこと、いつもしてるみたいに思われるでしょ?」 「いや、そんなことはないよ。長い人生には、こういうハプニングのようなことがあるんだよ。気にすることはないよ」 私は、そう言って彼女を慰めた。 けれども女性が初めて逢った男と、その日の内に親密になったときには、佳織と同じようなことを必ず言うものだ、と私は何回も経験していた。 つまり、自分はそんな軽い女ではない、と相手の男に強調しておきたいのである。 佳織は私の言葉に安心し、自分なりに納得したのか、私の方を向くとキスを求めてきた。私は、また佳織の上に全身を被せると、抱きすくめ情熱的なくちづけをした。舌を挿し入れると、佳織の舌も私に絡め戯れるように蠢かし、強く吸ってくる。 私もそれに応え、吸い続けた。 私の下半身は、いつのまにか、またこん棒のようになっていて、佳織の脚の間の奥まったところを突き刺激する。佳織は、くちづけを外すと、「あーん」と、顔を反らせて喘ぐ。私は、まだ濡れていて、いつでも私を迎え入れられる状態になっている「奥の細道」への入り口辺りを、高まりきった先端で焦らすように触れ、浅く入れて一番上辺りをつつく。 「あっ、ああーん」佳織は身を捩り、切ない声を挙げて私のモノを迎え入れるような仕草をする。 同時に、私は彼女の首や、肩胛骨の辺りを舐め続け、さらに下へと唇を這わせて、こんもりとお椀を伏せたように盛り上がった乳房の下に辿りつくと、舌に山登りをさせるように、乳首へと向かっていく。 私の舌が乳首に辿り着き、薄赤い葡萄粒のような乳首に舌を触るか触らない程度に、さーと舐める。 「ああーん」と佳織は、すすり泣きを始める。 既に尖り立って、ぬめぬめと光っている乳首をようやく口に含み、軽く噛み、同時に私のこん棒を半分ほど、突き入れる。 「あぅーーっ」佳織は大きく呻き、腰を浮かせる。同時に私を迎え入れようと、両手を強く、私の身体に回して引きつける。 けれども、私は、奥へと進むと見せかけておいて、退却を命じるのである。 私は、なんどもそれを繰り返した。 すると佳織は、ついに、「伸一さん! は、はやく来て! お願い!」と、泣きながら哀願した。 私は、とうとう自制と焦らしを解き、一気に深奥まで貫いた。 「あはっ、あうーっ」と、佳織は頂上へと走り始める。私は、彼女の両脚を自分の肩にかつぎ、足が彼女の顔に付くほどに折り曲げていき、真上から打ち下ろすように抽送を激しく繰り返した。 「あぅーっ、あっ、伸一さん、いっ、いくーーっ」と、絶叫しながら佳織はエクスタシーに駆け上っていった。 同時に私も、思わず、「ううぅーっ」と呻きながら、彼女の中に激しく迸らせた。 私は、彼女の中に入れたまま、彼女の脚を下ろし、普通のかたちのまま、自分の中の残滓を絞り出すように、腰を送って放射した。 「あーん、伸一さん、私……幸せ!」と、佳織はすすり泣きながら、叫ぶのだった。 佳織は、そのまま失神してしまったようにぐったりとしているので、私は優しく手で上から下へと撫で回し続けた。 ようやく、彼女は睫毛に涙をためたまま、まだ陶酔から覚めやらぬような目つきで、私を見て、「伸一さん、好き!」と言って、私の胸に顔をぴたりと寄せて、抱き付いてきた。 私たちは、しばらくの間、眠ってしまったようだ。 私が、ふと目を覚ますと同時に佳織も目を覚ました。 お互いに、一瞬、記憶の糸が途切れていたのか、隣に全裸のまま寝ている相手に驚いた様子を見せたが、当然、すぐに記憶の糸は繋がり、先ほどの濃密な一時の記憶が蘇った。 「イヤだ、私ったら。こんな格好のまま寝てしまったんだわ」と佳織は、自分の裸身を隠すような素振りをした。 さらに、寝乱れた顔を見られて恥ずかしいのか、「シャワーを浴びてくるわ」と言って、脱ぎ捨ててあった浴衣を身に纏うと、浴室に行ってしまった。 ――その4―― 私も後を追おうかと思ったが、彼女は、きっと寝乱れた顔を直したいのだろうと思い直し、仰向けになって思いがけない今回のアバンチュールのことを思い、満足感に思わず頬が緩んだ。 旅先で一人で寂しく過ごし、寝るはずだったのに、こんなに魅力的な人妻と出逢って、しかも彼女から潤んだ目で、「こんなこと初めてよ」と、言われたのである。 初めてよ……という言葉の意味は、旅先でのアバンチュールのことでもあり、また、こんなにも深い歓びをセックスで味わったのは初めてよ、という意味でもあると、彼女は事後、恥ずかしげに呟いたのである。 そんなことを言われて、男としての歓びが沸々と湧いてきて、しかも、しばらく寝たことによって、私の体力は充分に回復し、さあ、これからまた彼女と思う存分、――性の饗宴――を繰り広げようという気力が湧いてきた。 もう、そろそろ良いだろうと思い、私は、わざと全裸のまま、しかも、もうすでにそそり勃ってきたモノを誇示するようにしながら浴室に向かった。 鍵が掛けられているかと思ったが、浴室のドアは開いた。 私が浴室に入っていくと、佳織はちょうど浴槽に入るところだった。物音がして、ふと振り返った佳織は、私の誇示しているモノを見ると、「イヤだぁー、もう。伸一さんたら……」と抗議しながら、私に背を向けて浴槽に身体を沈めた。 私は浴槽の外で、自分の身体にお湯を掛けて軽く洗ってから、自分の大きな体を佳織の横に沈めようとした。 「あら、狭いから私は出るわ」と言って、佳織は浴槽から出ようと立ち上がった。 お湯の中から、色白の均整の取れた裸身が、すっくと立ち上がり、慌てて私に尻を見せながら、逃げるように出て行こうとしている。当然、私が、その裸身を逃す筈はなかった。 両手を素早く伸ばして、彼女の尻を抱えて浴槽の中に引き摺り込んだ。 「いやーっ、伸一さん、駄目よぉ」と抗う。 もちろん、それは本気ではないと思ったが、私は抵抗する女を容赦なく自由にするという歓びを味わいながら湯の中に引き摺り込み、自分の脚の上に後ろ向きに跨らせてしまった。 「もう……伸一さんたら。強引な人ね」と言いながら、佳織は観念したように、温和しくなった。私は、捕まえた獲物をいたぶるように両手を前に回して、彼女の豊かな両の乳房をてのひら一杯に包み込んだ。そして、それぞれの手の五本の指を蠢かして、揉み始めた。さらに、指と指の間に乳首を挟み込み、クリクリと弄くる。 「あん、ああーん」と、佳織は頭を私の胸に付くほどにそらせて、早くも喘ぎの声を洩らす。私は、彼女の耳の中に舌を挿し入れ、舐め、息を吹き込んだ後、「さあ、佳織、ここで串刺しにしてやるからね」と、囁いた。 佳織は乳を揉まれ、耳の中を舐められての刺激に、さらに大きな喘ぎを洩らしていたが、私の言葉を聞くと、「えーっ、いやだーっ、こんなところで」と、また逃れるような素振りをした。 しかし、もう、逃げられる筈は無いのだった。もちろん彼女だって、それはわかっているのだろう。 「もう、逃れられないよ」と、耳の中に囁き、さらに手を湯の中に沈めて、揺らめいている黒い海草の中を探り出した。 「あっ、いけないわ」と、彼女は下半身を身悶えさせたが、私は容赦なく海草の中の蛤の蓋をこじ開けて、指を挿し入れた。 巧みに隠微な中を掻き回し、尖り勃っている場所を責め続ける。 「ああーーっ、伸一さん!! ああーーっ」と、彼女は私の腕の中で身悶えて、浴室一杯に響くような喜悦の叫びを挙げる。 彼女の、丸く弾力のある尻が、私の脚の上で身悶えして動くので、私のバベルの塔は、もう我慢が出来ないほどに勃ち上がって、行き先を求めて喘いでいる。 私は彼女の腰を抱え、身体を浮かせ、少し俯せにすると、うしろから逞しく突き淹れた。 「ああーーっ、凄いっ、ああーん」と、佳織は泣くような悲鳴を挙げる。 私のモノは、彼女の〈奥の細道〉に入り込み、心地よい締め付けに遭い、堪えられないほどの快感が湧き起こる。脳天まで、痺れるような快楽を味わいながら、私は彼女をうしろから動物的に責めつづけた。お湯が溢れ、盛大にタイルの床にこぼれ落ちていく。 「ああーーっ、伸一さん! 素敵だわ。ああーーっ、もう、駄目ーーっ」と、悲鳴を挙げて、佳織はエクスタシーへと駆け上っていった。 私も同時に、顔をしかめ、「うーっ」と呻きながら、痺れるような快楽の頂点を味わっていた。 ――その5―― ふと、目を覚ますと、もう時間は七時を過ぎていた。隣を見ると、佳織が無心にまだ眠っている。私は、その可愛らしい顔をしばらく眺めていた。 昨夜は、強引な誘いに負けて、思うさま私に抱かれ、何度も喜悦の声を挙げて、絶頂に昇りつめた。 彼女も、私の誘いが強引だったとはいえ、心のどこかにアバンチュールを楽しみたいという欲求があった筈である。夫との夫婦生活に不満があったからだろう……。 昨夜、私の誘いに負けるまでは、彼女の心の中では、いざ不倫を実行するということに葛藤があり、最初はなかなか踏み切れなかった。 けれども、私の強引さに負けてやむを得なかったのだ、と自分に言い聞かせたのだろう。ともかく踏み切ってからの彼女は、私の淫らな要求に応じて、激しく応え、歓び続けたのだ。私は、佳織の無心な寝顔、そして無防備に寝ている身体を見ている内に、今日別れる前にもう一度、彼女を淫らに抱いてみたいと思った。 背を向けて、寝ている佳織の身体に手を回し、寝乱れた浴衣の身八つ口から手を差し伸べ、彼女の触り心地の良い乳房を揉み始めた。 当然、そんなことをすれば、すぐ目を覚ますと思ったが、佳織は目を瞑ったまま眠っている。昨夜の私の責めに、よほど疲れたのかと思って、そのまま搗きたての餅のような感触の乳房を揉み、乳首を弄くり回した。途中で、私はもう片方の乳房に手を移し揉み続けた。 それでも、彼女はそのまま目を瞑って眠っている。 私は、背後霊のように身を寄せ、左手では彼女の左の乳房を揉みながら、右手を、浴衣の裾をかき分けて、太腿の付け根に這わせた。 昨夜、私がパンティも剥ぎ取ってしまって、彼女は、そのまま寝てしまったので、私の手は彼女の毛叢に直接触れた。 私は、おかしいな、もう目を覚ます筈なのにと思いながら、その毛叢の中の隠微な場所を直接手を触れ、そっと撫で始めた。 上下での愛撫を続けながら、私は彼女の顔をじっと凝視していると、ついに、佳織の眠っていた筈の表情が僅かに崩れ、私の手の動きにつれて、眉根を寄せ、可愛らしい唇の間から、ついに、「ああーん」と、喘ぎの声を洩らしてしまったのである。隠微な場所を撫で回していた私の指先に、急に湿り気が感じられるようになり、さらに、愛撫を続けていると、とうとう愛液が湧き出てきたのだ。 「なんだい、もう、目を覚ましていたのかい?」と私が意地悪く、顔を覗き込みながら言うと、彼女はさらに顔を歪め、「ああーん」と、また喘ぎ、「だって、あなたが、悪さをするからよぉー」と、甘えたような声を出した。 私は、そんな彼女の声と身をくねらせるような仕草を見ていると、突然、荒々しく襲うように抱きたいと思い、大きな身体を華奢な佳織の上に被せ、組み敷いた。 「いやーん」と、佳織は私の下で、逃れるような素振りを示したが、私は性急に浴衣の裾をかき分け、膝で強引に彼女の太腿を拡げて、迫っていった。 「いやーん、やめて!」と、佳織が身体をずり上げて、逃れようとしたが、私は、彼女の両肩に手を掛けて、抑え込むと自分のすでに怒張となっているモノを濡れそぼっている場所に押し当て、淹れ込もうとした。 佳織は、戯れなのか、本当に嫌がっているのかわからないが、まだ身体を反らして逃げようと試みたが、私はさらに強く抑え込むと、容赦なく突き淹れた。 「ああーーつ」と、彼女が悲鳴を挙げた。 私は深奥まで埋め込むと、彼女を一気に快楽の絶頂に追い込んでやろうと思い、浅く、深く、あるいは角度を変えて、彼女の深奥をダイナミックに穿ち続けた。 佳織は、たちまち顔を歪め、口を大きく開けて喜悦の叫びを洩らし始めた。 私は、そのまま激しく責めまくり、途中で彼女の身体を裏返しにして、バックの形にして、さらに責め続けた。佳織は、顔を左右に打ち振り、身悶えしてすすり泣き、絶叫して歓び続ける。私は、次に自分が仰向けになり、佳織の身体を上にして下から串刺しにするように貫いた。 「ああーーっ、龍介さん、いいっ、いいーーーっ」と叫びながら、佳織は馬に股がつて走り出した騎手のように、激しく自分から身体を上下させ口からは喜悦の悲鳴を挙げ続けた。私が、途中から自分の腰の下に枕をあてて、下から激しく突き上げると、「ああーーーっ、もう駄目ーっ、いっ、逝くぅーーっ」と絶叫して昇りつめ、私の胸に倒れ込んできた。 朝の饗宴が済み、私たちは朝食を一階のレストランで取った。そして、その後、ついに別れる時がやってきた。私たちは、再会についてはお互いに一言も言葉を発せずに、未練を感じながらも、別れの挨拶をしたのだった。 当然、その後、彼女と逢うチャンスは無かった。 |